革命的劇画主義者宣言

根がオールドスクールボーイなので、日本のマンガといったら劇画でしょ、というくらい狂信的劇画主義者です。

今回は、マンガのお話ということで、劇画主義者の僕が衝撃を受けた作品群を紹介させてください。

 

◆『堕靡泥の星』佐藤まさあき

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ピカレスク劇画の傑作。読んだ時の衝撃は未だに忘れられません。なんなら記憶を消して、もう一度、ファーストインプレッションを味わいたいくらいです。

悪の化身である神納達也が自身の哲学にそって悪事を働いていくダークストーリーです。あまりのアンモラル加減に、いいのかこれ?と不安になりますが、そんな読み手の不安もなんのその、神納達也の悪事は政界をも巻き込み、世界進出していきます。後半の正義のヒーローと化した神納達也の荒唐無稽な行動も必見です。

 

◆『光る風』山上たつひこ

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圧倒的に面白い。近未来のレジスタンス青年を描いた物語です。社会派要素と娯楽要素がいいバランスで進行していくストーリーテリングが見事です。いつの時代も、左翼青年を描いた物語は面白いものです。

 

◆『怪獣ラバン』東真一郎(水木しげる)f:id:sholivia:20190211142610j:image

ゴジラの血を注射された男が怪獣になってしまう"人間ゴジラ"の話です。怪獣となってしまった男の理解されない苦しみが軽いタッチですが、どこか悲哀に充ちた描写で描かれています。ゴジラ公開時、水木しげるゴジラに大変共感したようで、ゴジラが調子にのってる人間どもを踏み潰していく様子に興奮したと語っています。戦争で受けた痛みを忘れて、何事もなかったように踊り狂う人々の姿を、自身も戦争被害者である水木しげるはどのように見たのでしょうか。戦争という日本が体験した悲劇はあらゆる創作者を悩ませ、表現の源となっています。あまり使いたくない表現なのですが、時代が生んだ作品とも言えるでしょう。

 

◆『ファイト先生』関谷ひさし

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ファイト先生。先生と生徒のほのぼの学園ドラマ然としてますが、侮ること勿れ、控えめに言ってトチ狂ったマンガです。

ファイト先生は熱血漢で正直者な無骨な青年です。それ故に、なんでそんなこと言っちゃうのってくらい本音をぶちまけるあたりサイコパスを感じます。島のほのぼのとした小学校が舞台ですが、ギャングが学校で立て籠ったりと、実にタノシイ話です。

 

◆『生きなさいキキ』ジョージ秋山

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これはタノシくない話です。読んでて辛いです。豚小屋で生まれたキキは母親に見捨てられ、世間からも白い目で見られながら育ちます。尊敬する父はヤクザで、その父からは女という生き物は醜いのだ、と教え込まれ、憎しみ、妬み、嫉みを糧に金だけを頼りに生きていけという思想を植え付けられます。もう、悲劇に悲劇を上塗りしたような話でなにも救いようはありません。

 

◆『野望』佐藤まさあき

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大企業に人生をめちゃくちゃにされた男が、その大企業を乗っ取る話です。

裸一貫から、七人の侍方式で仲間を集め、犯罪紛いの事をしながら、着実にのしあがってゆく様は読んでいて非常に面白いです。株主総会のやり取りもアツいですし、企業モノの物語として完成されています。

 

劇画主義者と謳いながら、まだ読めてない作品もたくさんあるので、もっと深掘りして、タノシイ作品を紹介できればなあと思ってます。

とりあえず、さいとうたかを辺りをちゃんと読んでいかないとな。